医療法人 社団 税田会



帯状疱疹(たいじょうほうしん、別名:帯状ヘルペス)

                     水前寺皮フ科医院 井上雄二

病因:水痘・帯状疱疹ウイルス(VZ virus)感染により発症します。ただし、
      初めてこのウイルスに感染すると、水痘(水疱瘡)になります。水疱瘡が
      治っても、ウイルスが体の中(ほとんどは、神経節)に残っていて、体調
      不良や体力低下に伴って皮膚表面で増殖した場合に帯状疱疹になります。
      つまり、帯状疱疹にかかったということは、体調が万全でない可能性があ
      ります。


                                            マルホ株式会社HPより

症状:体の限られた部分の痛み(普通は片側性)が出現し、その後(2,3日か
      ら1週間後)に水疱が生じてきます。痛みには個人差がありますが、時に
      は眠れないほどの痛みを感じることもあります。

*一般の痛みは、冷やすことで和らぎますが、帯状疱疹の痛みは冷やすと酷くな
  ります。湿布薬を張ったりすると痛みが強くなりますので、温めるようにして
  ください。


 
【治療】
@抗ウイルス剤の内服(バルトレックスR、ファムビルR)および外用
A痛み止め(胃薬)の内服
B神経痛治療薬(ノイロトロピンR、リリカR)
C温熱療法:入浴や電気治療などの温熱療法が痛みの緩和に効果的です
D普段以上に疲れる仕事や重労働は可能な限り避けてください

【予防】
@ 体調が悪かったり、疲れた時に発生しやすいとされています。普段から体調管
   理を心掛けるようにしましょう。
A 予防注射(保険適応外)。子供と接せる機会の少ない高齢者に発症しやすい傾
   向があるとされます。その場合には水痘のワクチンが発症予防に効果的とされ
   ます。ただし、帯状疱疹は、基本的には一生涯に一度しか罹らないので、発症
   したヒトには無効です。

【合併症】
帯状疱疹は、神経を傷害する可能性がある病気です。従って、ウイルス感染が
起こっている場所で色々な合併症を発生することがあります。

@帯状疱疹後神経痛:帯状疱疹が治癒した後でも、神経痛として痛みを残すことが
  あります。
A顔面神経麻痺:顔面に帯状疱疹が出来て、顔面神経が麻痺することがあります。
  (ア)ハント症候群:@耳介、外耳道およびその周囲の帯状疱疹、
                    A難聴、耳鳴り、めまい、
                    B顔面神経麻痺を合併した状態
B角膜炎、網膜炎、視神経炎:三叉神経1〜2枝領域(眼の周囲から鼻先にかけて)
  に帯状疱疹が生じたときに、眼に炎症が起こることがあります。最悪、失明する
  可能性もあります。→眼周囲に発生した場合には眼科を受診してください。
C神経因性膀胱:下腹部に帯状疱疹が生じたときに、膀胱の筋肉が動かなくなり、
  尿が出なくなることがあります。
D肋間神経痛:胸にできたあとに、神経痛を残すことがあります。
E便秘・腸閉そく:腹部の帯状疱疹により、腹筋が麻痺して下腹部が膨らんだり、
  便秘を起こしたり、重症になると腸閉塞を起こしたりすることもあります。
F反射性交感神経性シストロフィー:指先に帯状疱疹が及んた場合に、筋肉の委縮
  により手〜指の動きが障害されることがあります。

  以上の合併症および後遺症を残さないためには、初期の適切な治療が大切です。

※帯状疱疹の抗ウイルス薬は、腎臓で代謝されますので、腎臓に病気があるヒトに
  は常用量(普通に使う量)の薬が使用できない場合があります。肝機能障害や腎
  機能障害が疑われるヒトでは、治療の前後で採血検査などが必要になります。

※高コレステロール治療薬であるスタチン系の薬剤内服中には帯状疱疹を繰り返す
  ことがあります。


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